Joyoliving News : 2021年09月13日掲載

オンラインで高齢者の孤立を防ぐ

つくば市「UDワーク」の挑戦

「サークルが中止になり親しい仲間と交流できない」「離れて暮らす家族に会えない」長引くコロナ禍で対面や移動が制限され、インターネットを通した交流が盛んに行われる一方、そこに高い壁を感じている高齢者の社会的孤立が深刻さを増している。そうした流れを食い止めようとつくば市の市民団体「UDワーク」では、2020年5月からシニア向けにオンライン交流の支援を始めた。

写真1

8月下旬、オンラインで行われた「シルバーリハビリ体操」では講師(画面中央)を手本に参加者が体を動かしていた。
大学生スタッフはモニター越しに開始前、参加者一人ひとりに「お体大丈夫ですか」と声掛けするなど何気ない会話も大切にしている

対面で行っていた「認知症カフェ」や「シルバーリハビリ体操」などの講座や集まりをオンライン形式でサポートするほか、インターネットで資金を募るクラウドファンディングで購入したタブレットを無料で貸し出し大学生らが操作方法を教える体験会を開くなど、家にいながら地域活動に参加できる場づくりを展開。

タブレット上の表記は「クリックする」を「ここを押す」など分かりやすい単語に置き換えるなど工夫が見られる。

「利用に戸惑う高齢者の一歩を後押ししたい」と話す代表の前田亮一さん(45)は10年ほど前から作業療法士の仕事の傍ら、つくば市を拠点に多世代が交流できるイベントを実施し、子どもから高齢者まで誰もがゆるやかにつながれる場づくりに注力してきた。

2014年には認知症や要介護状態の高齢者が医療の枠を超えて地域で豊かに暮らせる社会構築を目指して「UDワーク」を発足し、さまざまな交流の場を企画してきたがコロナですべて中止に。

「高齢者は孤立すると無気力になり心身ともに弱りがちになる。やりたいことも見失いすべてが否定されたような気持ちになるが、自尊心が邪魔してなかなか助けを求められない」と深刻視する前田さんは、対面での交流が制限され人との関わり方が多様化する中、誰もが孤立せず自分らしく「つながり」続ける社会の在り方を求めてオンラインでの場づくりに乗り出した。


8月上旬の昼下がり。オンラインで行われた認知症カフェに10人ほどが参加した。

パソコンのモニター越しに全員の顔が映り、運営スタッフの働きかけで雑談が繰り広げられた。

「大勢で集まるとつい隣の人とおしゃべりしちゃうけど、画面越しなら話をじっくり聞くことができる」と70代のたか子さん(仮名)は感想を口にした。

80代のミツエさん(仮名)は「この年になって(オンラインという)新しい文化に触れることで世界が広がった。長く生きてきたかいがあった」と画面越しに声を弾ませた。

通訳だったミツエさんは社協が主催する無料塾で子どもたちに英語を教えたいと思っていたが、会場までの足がないことなどを理由に断念。当初はオンラインに拒否反応を示していたものの前田さんや大学生スタッフのサポートを受け少しずつ使いこなせるようになると達成感も生まれ、今ではタブレットを使って中学生に英語を教えるまでになった。

「1年前は消極的だった人も、長引くコロナ禍で必要性を感じるようになってきた」と前田さん。

70代の一郎さん(仮名)もその一人で「(利用に)渋っていたけど突っ張ってもしょうがないでしょ」。認知症を患い塞ぎがちだったが、ロック好きの仲間とともに立ち上げたオンラインの「ハードロックカフェ」でパーソナリティーを務めるなど趣味の時間を楽しんでいる。

「好きな話題でいろいろな人と絆を深められて感激だね」と笑顔を見せた。

「サークルや町内会などの地域活動をオンライン形式で行うことで、今は会えない友人や仲間と簡単にコミュニケーションが取れるようになる。生活をより豊かにするための場づくりをサポートしたい」と前田さん。

コロナ禍で日常になりつつあるオンラインの交流が、シニアの新たな世界を広げるきっかけになることを願って―。

今後の展開

健康がテーマの「オンラインリハビリ」や「健康習慣診断」、地域活動のオンライン支援専用ホームページの無料作成を行うほか、相談会なども随時開催予定。無料体験の参加者募集。つくば市以外の全国どこからでも参加可。ホームページはこちらから。
■問い合わせ
TEL.070-3195-7630/UDワーク(不在の際は折り返し連絡)。

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