Joyoliving News : 2021年07月12日掲載

ヤマユリのある里山、再び

―種からの栽培にも挑戦―牛久・奥野里山山ゆりの会

牛久の里山にヤマユリの花を復活させようと5年前に発足した「奥野里山山ゆりの会」。12人のメンバーが牛久市奥野生涯学習センター近くの里山を整備し、ヤマユリの栽培に勤しんでいる。会員らが植えたヤマユリは今年も開花の季節を迎え、間もなくユリの王様たる華麗な姿で人々を魅了する。

写真1

「今年は期待できるかな」。蕾を観察する磯山さん(左)と櫻井さん

「昔はこの辺りの至る所にヤマユリが咲いていたけど、今はめっきり見なくなった」

5年前。牛久市の奥野地区の会合でそんな話が持ち上がった。

時代の流れと共に山との関わりが減り、いつしかヤマユリの姿が見えなくなって久しい。

「小さい頃に嗅いだヤマユリの香りは、今でも覚えている。

夏の暑さを吹き飛ばす、強く甘い香りだった」と山ゆりの会・会長の櫻井市郎さん(74)は当時を懐かしむ。

写真2

2020年に開花した時の様子。今年も大輪のヤマユリに期待

この場所に再びヤマユリを―その実現に向け有志で会を立ち上げた。

偶然にも同時期に市内で20年以上ヤマユリを栽培している磯山和男さん(61)との出会いがあった。

磯山さんは凛としたヤマユリの美しさに心ひかれ、独学で種からの栽培に挑戦していた。

ユリはウイルスによる病気にかかりやすく、また球根を育てるために土の温度を20℃以下に保つなど手間がかかる。さらに種をまいてから花が咲くまで最低5年。

磯山さんが栽培を始めた最初の年にプランターにまいた600粒の種から5年後に花を付けたのはわずか10本ほどだったが「思い通りにならないからこそ面白い」と次第にのめり込んでいった。

いずれは自分が育てた球根を学校や公園に寄付したいと考えていた磯山さんにとっても、櫻井さんたちとの出会いはありがたいものだった。

再生の一歩は、荒廃した山林の整備から。

何十年も手付かずの土地はシノダケが生い茂り「気の遠くなるような作業だった。

時には後ずさりしながら刈払機を動かしたよ」と櫻井さん。

月に1度集まり汗を流して整備した山林の土はやわらかく肥沃(ひよく)で、落ち葉により適温に保たれるなどヤマユリを育てる条件がそろっていた。

整地と並行して磯山さんが寄付した600個の球根を植えた翌年の7月、50株のヤマユリが開花した。

「子どもの頃の記憶と同じ花が咲いた。これだ! と感動しましたよ」。

楽な道のりではなかったが、ヤマユリを復活させたいという会員らの気持ちと行動が実を結んだ。

さらに会では種からの球根栽培に挑戦しており、磯山さんは「自分たちの花という思いで大切に育てたい」と力を込める。

プランターにまいた種を植え替えながら2年かけて育て、生育の良い球根を山林に植えて順調にいけば3年で花が咲く。

会で種から栽培したヤマユリの開花第一号は、早ければ今年の見込み。

ここで咲いた花から採取した種を土へ還して数年後にここで花開く―そんな自然のサイクルが生まれることにも期待している。

また、地元の小中学生が授業の一環として種まきをするなど、世代を超えた交流も会員らの楽しみになった。

「今年はいくつ開花するかな」と櫻井さん。

ヤマユリの大輪の花と香りが、牛久の里山に晩夏を運んでくれる。


[ヤマユリ情報]

7月中旬頃から開花の見込み。見頃は7月25日前後の予定。

■場所
牛久市奥野生涯学習センター(牛久市島田町2700-1)斜め前の運動場脇。自由に散策可。里山の前に駐車場あり。

■問い合わせ
TEL:070(3662)6956/磯山さん

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