2020年7月31日(金)

林真紀さん『キッズライクアス』CFで資金集め翻訳・出版

自閉症スペクトラム障害の高校生が主人公

「子どもと一緒に学びながら乗り越えていきたい」と話す林さん=6月2日、つくば市内で
「子どもと一緒に学びながら乗り越えていきたい」と話す林さん=6月2日、つくば市内で

フリーランスの翻訳者・林真紀さん(つくば市在住、43歳)が、自閉症スペクトラム障害の高校生の恋愛を描いた小説『キッズライクアス』(サウザンブックス社)を邦訳。自身も発達障害の子育てをする経験を基にクラウドファンディング(CF)で資金を集め、このほど出版した。

横浜市出身の林さんはより良い子育て環境を求めて7年前つくばに転入。入園式でパニックを起こしたわが子が発達障害と診断され「正直ほっとした」。ありとあらゆる療育を試し、「ありのまま」を認めることにたどりついた。

大学の論文などの翻訳を手掛ける中、原書と出合ったのは2年前。自閉症スペクトラム障害を持ちロサンゼルスの「特別な高校」に通うマーティンは、映画監督の母と共に夏休みをフランスの田舎町で過ごす。初めて過ごす「普通の高校」でフランス人の女の子に恋したマーティンは自分を取り巻く世界をプルーストの『失われた時を求めて』の文脈で解釈するが、次第に友達や彼女が生身の人間であることに気付き始める…。

物語は、主人公と似た葛藤を抱え、周囲に合わせた「普通の子」を演じていた現実のわが子に重なり、人付き合いが苦手だった自らの来し方にも思いを巡らせた。3カ月掛けて一気に翻訳し売り込んだが、一般的に「マイノリティのテーマ」を扱う本は出版社も発刊に二の足を踏むことが多く、林さんは独自にCFサイトを立ち上げ資金を調達。目標金額を大幅に超えこのほど出版にこぎつけた。林さんは「『(子どもが)生まれて来なければ…』という思いから私の世界を変えてくれた本。他者の生きづらさを想像するきっかけになれば」と話している。

本はネット販売のほか、つくば市内の友朋堂書店吾妻店、TSUTAYA LALAガーデンつくばで取り扱い中。

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記事配信 [2020-07-31 16:33:29]

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