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2019年6月10日(月)

映画「ある町の高い煙突」

つくばで6月14日から先行上映

新田次郎原作の小説『ある町の高い煙突』がこのほど映画化され、6月14日(金)からつくばで先行上映される。22日(土)からの全国ロードショーを前に、松村克弥監督(56)と主人公の関根三郎を演じた井手麻渡さん(29)が、「企業の良心」や「明治の若者」について語った。


「いつも明るい撮影現場でした」と松村さん

―映画化のきっかけは日立市民の「直訴」だったとか。

松村監督(以下松) 前作の舞台あいさつで「次回作は大煙突」と言っちゃった。握手攻めに遭ったが、「街の誇り」に対する関心の高さを肌で感じた。

―原作が出た昭和40年代は各地で公害が頻発した。

井手さん(以下井) 僕は平成生まれですが、教科書には被害の「その後」は書いていなかったですね。
 昭和38年生まれの私にはリアルな出来事。企業は臭いものにふたをしたし、水俣病の映像には住民の強烈な怒りが残されています。今でこそさかんにCSR(企業の社会的責任)やSDGs(持続可能な開発目標)と言われますが、日立鉱山では今から100年以上も前に住民と企業が誠意ある交渉を経て共存した。


日立での先行上映で関右馬允さんの孫に「『あんた、ウチのおじいちゃんにそっくり!』と言われた」という井手さん

―小説の舞台に何度も足を運んだ。

 村の集会が開かれた御岩神社や馬頭観音、関右馬允さん(関根三郎のモデル)のご自宅など。入四軒の谷に「黄色い煙」が立ち込める様子も想像できた。

 「玉簾の滝」で出会った90代のおばあさんには「煙の記憶」が残っていた。日鉱記念館も何度も訪れた。

―関根三郎の印象は。

 何事にも動じず、先見の明がある人、でしょうか。
 三郎さんと共に煙害解決に奔走した明治の企業人・久原房之助(木原吉之助=吉川晃司)、加屋淳平(角弥太郎=渡辺大)はあの当時20〜30代の若者でした。“加害者”としての久原は、田中正造が天皇に直訴までした足尾銅山、住民が蜂起した別子鉱山や小坂銅山の例を見ていたから「地元を泣かせて何のための経営か」と喝破していた。やがて来る大正デモクラシーの機運の中で企業の在り方に理想があったからだ。三郎は「国益」のために精錬所開発の必要性を訴える企業側の立場を理解していた。「大煙突」は三人の若者のインテリジェンスが成し遂げたたまものでしょう。


映画のワンシーン。吉川晃司さん、渡辺大さん、石井正則さん(右から)

―大煙突は、現在の日立市の礎となっています。

 煙突は93年に3分の1に倒壊したが、煙害補償で誠意ある交渉を続けた角さんの尽力で、市内には最終的に500万本の大島桜が植林されています。日立鉱山は従業員や地域住民の厚生・慰安施設として日立武道館(旧共楽館)を建てたが、そこに通ったのが「いつでも夢を」など大ヒット曲を世に送り出した昭和歌謡の巨星・ 田正。大煙突は後の大作曲家を育てたといえると思います。


上空の逆転層に排煙し、煙害を減らすことに成功。市内の小学校の校歌には大煙突が今も数多く歌われているという。

―映画を通し、明治の企業人に学ぶことは。

 互いの「正義」は常に対立します。他人と向き合う姿勢が大切だと思います。
 三郎は武士の情緒漂う入四軒村で、新しい明治という時代を駆け抜けます。「令和」は理想と違う時代になると思うが、若者には「忍耐」で生き抜いてほしい。三郎のようにね。
 三郎さんは、あの当時高価だった写真機で被害の様子を撮影した。今でいえばAIで未知の問題に飛び込むようなもの。映画をご覧になって新しい時代を生きる「勇気」を感じてもらいたい。

―三郎のように?

松&井 三郎のように!


【ある町の高い煙突】
銅山からの亜硫酸ガスで農作物や健康被害に苦しむ入四軒村(現日立市入四軒町)の関根三郎は、外交官の夢を諦め、鉱山側と粘り強く交渉を続ける。1915年(大正4)に建てられた156メートルの大煙突は鉱山の経営を圧迫していた煙害問題を軽減し、鉱工業都市日立の象徴的な存在となった。

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