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2018年9月3日(月)

産地再興へ、顔見える「下妻の梨」

昨年、東南アジア・北米に輸出110トン

県内トップクラスの生産量を誇る下妻市産の梨が、ここ数年国内外で高い評価を得ている。2017年の輸出量は東南アジアを中心に計110トンを超え、本県農産物輸出額の約4割を占める。先月には手塩にかけたブランド梨の販路も拡大。消費者と産地の結びつきを強めようと奮闘した若手生産者らの10年を振り返る。


今年の「下妻甘熟梨」目ぞろえ会=下妻市大木

「これは皮が焼けてんな。そっちの方がいがっぺ」。8月初旬。ブランド梨「下妻甘熟梨」の収穫を前に、市内の選果場横の畑で目ぞろえ会が開かれた。

下妻市果樹組合連合会に所属する若手生産者5人が「改革」に動き出したのは10年前。それまで同市産の梨は直売や契約販売はなく「市場出荷型」のみ。他の産地の出荷数が足りない時に融通した梨は「茨城県産」として出荷されるため「都合の良い産地」との声もあった。ちょうど価格も伸び悩んでいた時期。当時就農5年目で下妻の梨PR プロジェクトチームリーダーの粟野寿広さん(40)は危機感を抱いていた。

JA常総ひかり下妻支所によると、市内の生産者はここ10年で3分の1に減り、売り上げも約9億8000万円(平成30年)とピーク時の約半分に。同JA営農課長の上野博樹さんは赴任当時、県外の市場をあいさつ回りした時の記憶が忘れられない。「梨でお世話になっております」と名刺を差し出しても一様にけげんな顔をされた。国内市場に貢献しているにもかかわらず、誰も「下妻産」と知らなかった。消費者に選ばれる産地になり、ものづくりとしての梨農家のプライドを取り戻し、下妻の農業を底上げを図るー。粟野さんたちの挑戦が始まった。

タイ王室に献上

従来、市内では春先に梨の木に生長を促す処理を施し、最も消費が伸びるお盆前に出荷のピークを合わせていた。年々農家をやめる人も多い中、「量は力」だった産地には起爆剤としての「ブランド梨」が急務だった。馬糞堆肥の土を作り、開花後60日ごろまでの早い段階で玉数を絞り込んだ。十分に熟させたものだけをお盆後に収穫。2年ほどかけ糖度13度、幸水本来の味にこだわったみずみずしい「甘熟梨」を誕生させた。

次の問題は、TPPなどに代表される農産物の国際化。「下妻の梨はもう終わり」「安い海外産に押されて売れなくなる」という声に対し、粟野さんは決めた。「んじゃ、輸出すっか」。つてを頼りに交渉を重ねる中、タイで開かれる工業製品の見本市に参加するチャンスが巡ってきた。試食会でアンケートを行うと「1個1000円でも買いたい」との声が続出。県では14年から農産・畜産物の輸出事業を本格化させたが、下妻ではそれより1年早くシンガポールの百貨店へ「新高」660キロを輸出し、翌年にはタイの王室に梨を献上。海外でニュースになれば国内の消費が喚起され、世界で味が認められた生産者のやる気も促した。

「すぐやる」精神


期間限定で設けられた「水遊び場」(つくば市提供)

下妻の梨は昨年のベトナムをはじめ、現在マレーシアやカナダなど6カ国に輸出。県グローバル戦略チームによると、下妻の梨は本県農産物輸出額の4割弱を占め、以前は廃棄していた規格外の梨もパンやジャム、リキュールなどの加工品で購買層を広げ、ここ数年は単価も徐々に上がってきている(同JA)という。

粟野さんの目下の課題は後継者。摘果のアルバイトで雇った学生らに「儲かり、結婚でき、子どもに継がせたいと思える農業」を教えたい。夢はもう一つ。「梨は水分補給にうってつけ。東京五輪の給水にぴったりじゃね?」。グローバルGAP(農産物の国際基準)の取得に向け、粟野さんらはすでに動き出している。 下妻の梨は同市の第一・第二選果場ほかで購入可。

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