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2018年8月6日(月)

玉の数より、一瞬の美

若手にバトン、手渡す夏

市民協賛ながら、競技大会に匹敵する高い芸術性で毎年10万人超が訪れる常総きぬ川花火大会。今年、約20年間大会を引っ張ってきた職員から若手にバトンが手渡されようとしている。後進に伝えたいのは、玉の数より一瞬の美。金額よりも熱意と情熱。そして、協賛者と市民への責任感。


大会には日本全国から写真家が集い、その腕を競う(常総市提供)

常総きぬ川花火大会の前身は、1949年に始まった関東花火競技大会。わずか6年で終了したが、市民からの協賛を得て66年に復活。2度の中止を挟み2008年から現行名称に。

打ち上げ花火の質の高さと芸術性から過去に「全国必見の花火大会十選」に選ばれた同大会では、花火の玉名を観客にアナウンス。土浦や大曲、長岡などの競技大会では見慣れた光景だが、「これがなくちゃ何でもありでしょ?協賛者への責任だよ」と同市商工会で約20年大会運営に携わってきた澤邊悦雄さん(63)は言う。

大会の事務局が市役所に移管された今年からは、同市商工観光課の臨時職員となり後進を育成。自他共に認める花火好きが高じ、今では打ち上げプログラムも自ら作成している。

何をやってもいい

1992年、市街地活性化を目的に秋田県を視察した澤邊さん。大曲では腕一本で勝負する職人の技に心を奪われた。翻って地元の花火大会ではこれといった特徴がない。当時の商工会長から「何をやってもいい。お金を払ってでも見に行きたい大会に変えてくれ」と白羽の矢が立った。

以来、年間40回ほど全国の大会を見て歩いた。海外の工場製ではなく、協賛金だけで競技大会並みの質を実現するのは至難の業だった。有名な花火師の下を何度も訪れ、予算ギリギリの金額で頭を下げた。足元を見られ、実際の打ち上げで失望したことは数知れず。「おかげで、作る側の立場を考えられるようになったよ」。

それから、花火の発注は前年冬までに終えるのが習慣になった。山ア煙火製造所(つくば市)社長の山ア芳男さんは「澤邊さんほど現場を理解してくれる主催者はいなかった」と回想する。99年から大会の陣頭指揮を執った澤邊さん。当時珍しかった花火大会とフォトコンテストを連動させると、各地の写真展で常総の花火は軒並み入選し、客足も伸びた。導入時は半分も売れなかった有料席も徐々に認知され、売り上げは全て花火の質向上に充てた。秋田で見た本物に近づくのに、約20年の歳月が流れた。

20年越しの夢


澤邊さん(中央)と穂戸田さん(左)が花火師の下で打ち合わせ=つくば市泊崎の山ア煙火製造所

穂戸田勇一さん(29)は小5の時に校外学習で商工会を訪れ、澤邊さんと出会った。音楽と連動する花火の動画を見たことで「その後の人生が決まった」ような気がした。筑波大学に進学後は花火工場で働きながらサークルを立ち上げ、打ち上げ従事者資格も取得。澤邊さんの紹介で花火師の協力を得て、小児がんや心臓病など重病と闘う子どもたちに贈る「ゆめ花火」や全国初となる「学園祭でスターマイン打ち上げ」を成功させた。卒業後に常総市役所に入庁。今春から商工観光課に配属され、晴れて花火大会の担当になった。

「アンケートでは一尺玉の要望が高いですね」と穂戸田さん。「水海道では8号玉が一番映えるんだよ。保安距離も考えないとダメ」と澤邊さんが一喝する。長年花火師とわたり合ってきた交渉力をはじめ、その土地に合った花火の規模などの感覚を伝えるのは簡単ではないが、「玉の数より一瞬の美。市民の皆さんにきれいな花火を見てもらいたい一心で、これからも努力を続けてほしいね」。

第54回常総きぬ川花火大会は8月11日(祝)午後6時45分から常総市橋本運動公園(鬼怒川河畔)で開催(荒天時翌日順延)。

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