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2018年7月14日(土)

光の芸術、伝統花火の世界

8月半ばから、県南8カ所で順次開催

門外不出の技術を村の祭礼に巧みに取り込んだ伝統的な花火が、今年も県南各所で行われる。夜の闇を切り裂く綱火、疫病払いの竜水(ロケット花火)、からくり人形を用いた仕掛け花火などの技術は、形を変え現在の花火大会に息づいている。8月半ばの「からかさ万灯」を皮切りに、今年も“熱い祭礼”のシーズンを迎える。

起源は江戸時代


【1】からくり人形「三番叟」(小張松下流綱火保存会所蔵)【2】綱火[複製]山崎煙火製造所作製。高岡流綱火では逆方向に噴射する2個の綱火を連結。約100メートルの網を往復して走らせる【3】仕掛け万灯の「鳳凰」(大塚戸芸能保存会所蔵)【4】大蛇(大塚戸芸能保存会所蔵)【5】竜水(百家竜水万灯保存会作製)【6】滝[複製]山崎煙火製造所作製。
※写真提供:土浦市立博物館、土浦市教育委員会

綱火やからくり人形を使った伝統的な花火を伴う祭礼は県内9例中8例が常総地域に集中し、雨乞いや五穀豊穣、家内安全など由来はさまざま。土浦市立博物館の塩谷修さんによると、そうした花火の多くは江戸中期に始まったという。同地域で広まった理由は不明だが、長野県伊那地域や愛知県三河地域では奉納花火が盛んで、点火に綱火の技術が用いられている。

今に続く「花火玉の打ち上げ」の始まりは江戸後期。同館には鹿島神社(同市中村西根)に伝わる花火筒が展示されている。1905年に日露戦争凱旋記念に松の木の内部をくり抜いて作られたもので、「からかさ万灯」が行われる土浦市大畑の鷲神社にも残っていたが二十数年前に神社が焼失。ツバキの巨木で作られた花火筒は失われた。

雨乞いの祭礼


色鮮やかな火花が夜空を染める「からかさ万灯」

こうした祭礼での伝統花火は江戸後期以降盛んになる花火玉の打ち上げを取り込みつつ、「民衆の娯楽」の側面も強めていった。

毎年8月15日の夜に行われる「からかさ万灯」は1982年、国選択無形民俗文化財に選定。保存会会長の井坂次男さん(80)によると、畑地が広がる同地は夏場の雨が少なく、昔から干ばつに悩まされてきた。集落では「雨乞いばやし」を打ち鳴らし、祭礼で仕掛け花火を神前に奉納し五穀豊穣を願った。

瞬時に駆け抜けた綱火が直径約5メートルの唐傘本体に点火すると、「行灯」「手ボタン」や最上部の八つ口(やつぐち)へ次々着火。巨大な傘から「光の雨」が降り出す。一方、導火線の火は保存会で手作りした「ミチビ」を伝い唐傘から下がる8つの提灯に点火するが、いくつ点灯するかがその年の豊凶を占う。また、柱から下がる「花」は縁起物とされ、消火後に見物客らが競い合うように抜いていく。集落では祭りが終わると、晩夏に向け各家庭で小麦やそばの種まきが始まる。

娯楽の側面

つくば市百家の「竜水万灯祭」では、ロケット花火の原型のような「竜水」を打ち上げる。竜水は一般的に東日本では「竜勢」、西日本では「流星」と表記されるが、「竜水や綱火に伴うからくり人形の演目などは、打ち上げ花火や神社に奉納する繰り込みといった神事の余興的な位置づけになっています」と同館の関口満さん。また、仕掛け花火の一種「滝」は、現代の花火で見られるランス(焔管)を用いたナイアガラなどに似ており、「伝統的な花火は、今の花火技術の原型になったものも多い」という。

その昔は「口伝のみ、門外不出」だった花火の技術は、火薬の取り扱いが以前にも増して法規制された昭和30年代を境に業者委託が一般化されていった。最近では仕掛け花火の芸題にもTXの車両が登場するなど、現代の世相を反映した新しい試みも行われている。塩谷さんは「地域に残る伝統花火を使った祭礼には作物の豊凶以外にも多くの願いが込められています。ぜひ一度見に行ってみては」と話している。

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