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2018年6月4日(月)

絵筆がくれる、定年後の彩り

「自然美」を追求する油彩画家 小川浩さん

現役生活を終え日々キャンバスと向き合う守谷市在住の画家小川浩さん(66)の油彩画展が、6月2日(土)から守谷市民交流館モリヤガーレで開かれている。20年ほど前から本格的に創作を始め、長い冬に堪えようやく春の芽吹きに向かう早春の山林や湿地、満開の桜など「日本特有の自然美」を描き続けている。

福島県を中心に東北地方や北海道を旅して撮影した写真を基に、山林や湿地などを描いて二十余年。時に加工写真と見間違えられるほど精緻な絵からは人工物を排し、湖面の形など構図を大胆に変えることも。「必ずしも写実的である必要はない。それが絵画の醍醐味でしょうね」

一度は置いた筆


作品には水辺を描くことが多い。手前は群生するアシなどの水生植物。細い面相筆で一本ずつ丁寧に描きこんでいく

1951年、阿武隈高地の西側に位置する自然豊かな福島県石川町に生まれたが、子どもの頃はそれが特別なものだとは思わなかった。手先が器用なことと絵が好きだったこともあり、中学に入って絵画教室で油絵を学んだ。基礎となる静物、人物などさまざまなものを描きながら、一度は絵をなりわいにできたらと考えたものの、絵描きでは食べていけないという現実的な思いもあった。

設計図を基に建物が出来上がる工程が絵画に似ていることもあり、建築の世界に興味が湧き、県内の工業高校に進学。卒業後、上京し就職した都内の大手建設会社では設計部に配属された。

持ち前の画力は、図面や工程の流れを説明するときには重宝した。そうは言っても社会人生活は帰ればあとは寝るだけの毎日。多忙を極める中、心の癒やしでもあった週1回の社内の美術クラブも退き、絵筆は封印した。「仕事も絵もとても片手間でできるものじゃなかったからね」

自然を描く

40代半ばで仕事が落ち着いてきた頃、守谷市に転居し制作スペースができたこともあり、本格的に制作を開始。描き始めたのは雄大な山林や湿原などで、時には出張先で風景写真を撮影し題材にした。

地震や台風、水害に豪雪などにさらされながらも、すくすくと育つ木々や草花の強さに美しさを感じるようになった。同時に、子どもの頃は気にも留めなかった故郷の自然の魅力も再発見した。中でも、「東北の長く厳しい冬の風雪に堪え、ようやく雪解けを迎え始めた北国の早春の景色ってどこか心引かれるんですよ」。

そんな景色を表現するために行き着いたのが、細かな点の集合体で花びらや葉を描く「点描」と細筆で線を引いて湿地のアシなどを描く「線描」だった。

まずは濃い茶色などでキャンパス全体を塗りつぶし、奥の景色から徐々に描いていく。手前の木などを描き終えたら、ようやく葉や花びらに取り掛かる。細筆で点を打つように絵の具を乗せ、作品に陰影と立体感を与える。大きなサイズになると完成まで4カ月を要することもあるが、焦らない、急がない、諦めないがモットー。

「完成日から逆算して作業工程を決めていく。建築現場と同じですよ」。2015年には、日本の山林をテーマに創作し山林愛護の思想普及を目指す日本山林美術協会に入会。会員には福島県出身の作家もおり、会えば故郷の話に華が咲く。林業に関わる団体などとのつながりもでき、協会の活動で少しでも山林画家の人口増につながればと期待を寄せる。

ゆとりある日々

画題を求める取材旅行にも余念がない。先月は愛車とともにフェリーで北海道に出かけ、羊蹄山や神威岬など1100Kmを駆け抜けた。時に住民に声を掛け、地元のリサーチをしてしまうのは「現役時代の名残かな」。思わぬ見どころや土地の味を発見できるのも、楽しみのひとつ。

年を経てから見つめた阿武隈地方の町を流れる川沿いの桜並木は、かつての若木の面影もなくすっかり貫禄ある姿に成長。緩やかに流れる川までもが桜色に染まる様子を描いた作品「水面の桜」は、町役場の新築記念に寄贈した。自宅近くのアトリエへの道を歩きながら季節の花や水田の稲の成長に目を細める。守谷での生活を始めてからは菅生沼など晩秋の水辺や県内の景色にも興味が湧いた。「いずれは地元に展示してもらえたらいいね」

油彩画展は、6月2日〜24日(日)守谷市民交流会館(大木966-1)で開催。午前9時〜午後5時、入場無料。木曜休館。

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