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2018年4月16日(月)

「ご縁で生活しています」

竹細工作家 橋本 千菜美さん

筑波大学を卒業し、竹細工制作を始めて2年余りの橋本千菜美さん(27歳、つくば市在住)は、身ひとつで歩いた学生時代の貧乏旅行経験も手伝って、安定よりも「自分が好きだと思えることがしたい」と竹細工の世界に飛び込んだ。現在は筑波山麓の農場で働きながら作品を制作。昔に比べ竹細工の需要は激減しているが、地域住民との縁に頼りながら「ミニマムな生活」を楽しんでいる。


「壊れても修理して使い続けられる竹細工は懐が深い」

「竹籠は物を入れるだけでなく、野菜の水切りや米研ぎなど形状によっていろんな使い方があるんです」

橋本さんの竹細工は、材料の調達から制作まで自ら行う“完全家内制手工業”で、基本は一本の竹ひごから始まる。

竹林から切り出した材を使いたい幅に割り、小気味良く厚みをそいでいく。繊維が指に刺さるのは日常茶飯事、鉈で指先に大けがをしたことも。編み方は、井桁のような「四つ目編み」や野菜籠などに用いる「麻の葉編み」「六つ目編み」のほか、背負い籠などやざるは目が細かい「ゴザ目編み」など多彩。海沿いの町では魚を、山間部では山菜を入れるなど、用途が違えば竹ひごの幅や厚さも変わる。「竹細工の世界では『ひご取り3年』といわれるほど重要な作業なんです」

頼ればいい

京都市に生まれた。染色の仕事をしていた母の影響からか、幼少から絵を描いたり粘土で何かを作るのが好きだった。筑波大学芸術専門学群に進学し、材料に直接手を触れながら創作できる彫刻を専攻。モデルを使った胸像制作などよりも抽象的な創作に夢中に。素材である不ぞろいな石のありのままの姿や特性を生かした造形美にひかれた。

大学2年の終わりに休学し、生身の自分を世界にさらけ出そうとバックパックを背負ってオーストラリアなどを旅した。その日の宿はその日に決めるという根無し草のような生活は約1年間。ある時はブルーベリー農場で仕事を見つけて旅費を稼ぎ、困った時にはありのままの自分を現地の人にさらけ出した。「皆、力になってくれる人ばかり。物もお金もなかったが、人との出会いや新しい経験で心は満たされていた」

「好きなこと仕事に」

大学卒業を前に一般企業への就職も考えた。進路に迷っていた時に思い出したのが、誰かに頼りながらも何とか生きていけたバックパッカー生活。4年間を過ごしたつくばを離れるのも寂しく、「自分が好きだと思えることで生活できたら」と思っていた。

そんな中で興味が湧いたのが竹細工。何度か目にするうちに自分で作ってみたいと思い始めた。プラスチック製品の流通や農業の機械化により、今や竹細工は観光地の工芸品などでわずかに見られるばかり。職人も高齢化で数が激減し、本格的に習えるのは大分県別府市の職業訓練校だけ。

しかし、ある日、住み込みで働いていた農場のスタッフが桜川市に住む職人を紹介してくれた。材料の選び方や割り方など基礎を習得し、「師匠の指先は硬くて道具のようでした」。25歳で、ようやく自分の描く理想の生活のスタートラインに立った。同じ頃、人づてに紹介されたつくば市北条の空き家に自宅兼工房を構えた。考えてみれば働いていた農場も人の紹介。「私はご縁で生かされているんだと感じました」

人とつながる

生活の基盤ができたところで人のつながりも増えた。県内外のカフェなどで展示やワークショップを開いた。障害者が働く農場を運営するつくば市内のNPO法人からは利用者への竹細工指導も依頼された。農場長の伊藤文弥さん(29)は、「作品には本人の飾らない人柄がそのまま表れている。思わず応援したくなるんですよね」。

作品には細やかな心遣いも。衣服に節が引っかからないよう竹ひごを削ったり、従来の竹細工の良さを引き継ぎつつブローチやピアス、バッグなども制作。便利な物が簡単に手に入る時代だからこそ、「一つひとつの手仕事に愛着を持ってもらい、無理なく使ってもらうことで伝統が守られていけばいい」。

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