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2017年11月6日(月)

秋の風物詩、継続へ奮闘

各地で「菊まつり」最盛期

江戸時代から育種や品評が盛んになった菊作り。今なお愛好者は多いが、栽培に手間がかかることや趣味の多様化もあり、高齢化や後継者不足を懸念する声も上がっている。そんな中、国内最古の菊まつりを支える県内の神社や仲間と楽しみながらノウハウを培う菊花会の活動が、行楽シーズンを迎えた県内に彩りを添えている。

手抜きなし


展示の構成は「足で稼いでいるからね」と話す久江さん=10月27日、笠間稲荷神社

国内最古、今年で110回目を迎える笠間稲荷神社の菊まつり。裏で支える同神社事業室の久江勉さん(76)は「菊には早咲き、中咲き、遅咲きがあります。期間中は時期に合った花が見頃ですよ」と胸を張る。立ち菊や背の低い福助、ダルマ、崖から垂れ下がるような懸崖(けんがい)菊、豪華な千輪咲、杉の木に似せた杉作りなど約1万鉢が境内だけでなく街中を彩る。

同神社では1908年(明治41)に「農園部」を設立。現在6人ほどの職員が境内裏手にある約10アール強の畑で300〜400品種を栽培している。

祭りの中でも、1948年(昭和23)から始まった菊人形展は数十年前からNHK大河ドラマがテーマで、ここ数年は歴史上の名場面を全10景製作。来年のテーマが決定すると資料を集めてドラマの舞台に取材旅行する。

人形の数や背景など全体の構成を5月頃まで検討し、設計図(ラフ画)が完成。菊師が巻きわらで胴ガラ(人形の本体)を製作し、着付け師が下絵通りに色とりどりの菊を着せていく。背景師が絵を描き、宮大工が作った大道具や小道具を設置しBGMの選曲も行う。予算には限りがあり職員も年々高齢化しており、「入場料を取らなければ、脈々と受け継がれてきた菊人形展の質を維持できない」という。

先々代の宮司が日清・日露戦争で荒廃した人々の心を和ませようと始められた菊まつり。久江さんは「神社は、何らかの悩みや願い事がある人が集う場所。菊文化を継承し、宮司の思いをそのまま伝えていきたいですね」と話す。

仲間と楽しむ


審査前には花弁に付いたちりをめん棒で丁寧に取り除くという=10月27日、土浦市亀城公園

10月最後の週末、土浦市の亀城公園で「土浦菊まつり菊花品評大会」の準備が着々と進められた。「今年はつぼみが出来始める9月に長雨だったから難しい年だった」と土浦霞菊協会理事の石井登さん(75)は振り返る。

同協会は1950年(昭和25)結成の歴史ある菊花会。地元での品評会を主催してきたほか、会員は全国的な品評会でも上位入賞するほど。

近年は約50人いる会員のほとんどが70〜80代のため、同会では後進の育成や裾野の拡大を図ろうと苗作りの時期である5月頃に講習会を開いている。参加者が入会することはあまりないが、「参加人数も多く若い人も結構来る。菊作りを趣味にする人が減ったわけではないんだよ」と石井さんは手応えも感じている。自身は30代で菊作りを始めたが、「あの頃は周りに教えてくれる先輩がいてね。趣味といえば菊やサツキを育てるのが自然な流れだったんだよ」。

知人の勧めで14年前に始めた益子隆さん(71)は、昨年地元で開かれた品評会で首席になったほどの実力者。天候はもちろん、アブラムシや葉に斑点が出る「さび病」などいっときも目が離せない菊作りだが、1年間手塩にかけた菊が審査される時の「どきどき感」がたまらないという。

会員らが集まれば会場の準備もそこそこに、持ち寄った菊の茎の縛り方や花の出来栄え、展示の仕方、近隣で開かれる菊花展などの話に文字通り華が咲く。「菊作りは難しいってよく言われるけど、なんだって最初は難しいんだよ。仲間とあれこれ意見を交換して、少しずつ上達していくのも楽しみのひとつですよ」

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