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2017年9月16日(土)

20年待ち望んだ「考える会」

新土浦市立図書館11月27日開館

駅前の利便性と市街地のにぎわい向上を目指す土浦駅前北地区市街地再開発事業による「アルカス土浦」が、来る11月27日(月)にオープン。核となる新土浦市立図書館は地上4階建てビルの2階から4階を占め、蔵書数35万冊など県下一の規模を誇る。その悲願達成を誰よりも待ち望み、陰ながら図書館事業を支えてきた市民グループ「新市立図書館を考える会」が、開館をもって解散する。

子どもたちのために


わが子には間に合わなかったが「ゆっくり無理なく共に学んだ日々が楽しかった」と幹事会メンバー(前列中央・佐藤代表)。後列左が故北川欣子さんの夫、博司さん

新市立図書館を考える会は、土浦市内で文庫を開いていた故北川欣子さんを中心に平成8年に発会。北川さんは都内で家庭文庫を長く開いていたものの、土浦に転居する際に蔵書をすべて知人に寄贈。そのため当初は市立図書館の団体借り出しを利用したが、期限は1カ月。文庫に子どもたちが増えると自費で買い足しても間に合わなくなり、図書館の施設・蔵書の充実を願うようになった。

折しも周辺市町村では図書館新設が相次ぎ、「子どもたちのために土浦もー」と文庫つながりの親たちに声を掛けると30代、40代の母親ら100人を超える市民が登録。

市民の生の声を取り入れ、子どもも大人も使いやすい図書館をつくってもらいたいと、まずは市の取り組みや計画を聞いて協力関係を築き、先進的な図書館の見学や専門家の講演、勉強会を開くなどして情報と知識を蓄積した。

近づいては遠のいた夢

文京町の市立図書館は昭和48年12月、土浦石岡地方社会教育センターとの複合施設として開館し、60年1階部分に図書館を増築。平成8年に新図書館建設計画がスタートして諸々の準備が進み、17年に建設場所が駅前北地区に決定。翌年から着々と資料購入も始まったが、20年のリーマンショックによる経済低迷、建築資材高騰などで22年8月まで事業が中断。都市計画を変更して再び進み始めた矢先の23年に東日本大震災により事業計画縮小が決まり、同地区が新市庁舎候補地となったことで翌24年11月まで2度目の事業中断。

そんな様子を見守ってきた会発起人の北川欣子さんは、平成21年に病気で死去。「欣子さんの遺志を無にすることはできません。どれほど時間がかかっても実現まで頑張るしかない」と現代表の佐藤潤子さん(63)と会員たち。かつて「わが子のために」と立ち上がった母親たちは60代、70代になり、わが子は大学生や社会人に成長して地元土浦を離れた人も多い。

県下一の新図書館


「市民の期待にお応えし、街の活性化につながるよう頑張ります」と入沢館長(右)と大貫副館長(旧図書館の前で)

完成を待つ「アルカス土浦」は1階に市民ギャラリーと銀行、交番があり、2階〜4階が図書館。駅からつながる2階は気軽な雰囲気で交流できる空間。

おはなし室を備えた児童部門、文庫本や新聞、雑誌などをお茶を飲みながら閲覧できるカフェコーナーを配置。3階は一般書、専門書、新聞、郷土書籍などが並ぶいわゆる図書館。個室や視聴覚コーナー、読書サロンを備え、吹き抜けやガラス張りなど開放感がある。4階は青少年をはじめ多世代が交流できるラウンジと学習室100席、研修室、事務室を配置。蔵書数は当初35万冊、将来的に56万冊を目指すという。

「図書館を核として駅前から市内へと回遊してもらえるよう工夫された造りです。街や人を元気にする交流拠点になることを目指しています」と入沢弘子館長。

考える会は毎月2回の幹事会、年1回の要望書提出を続けながら、新図書館だけでなく分館や学校図書館など図書館行政全般の向上を願って活動。約20年の間に会員は減少したが、「一緒に学び合えたことも大きな収穫だった」と会員たち。その中には亡き北川欣子さんの夫、博司さん(85)もいて、新図書館のオープンを妻と共に迎えたい。

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