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2017年5月29日(月)

学生プロデューサー・澤田悠太さんに聞く

テクノロジー✕音楽の祭典 6月3日、「イノフェス」迫る

テクノロジーと音楽の祭典・イノベーションワールドフェスタ(主催/J―WAVE、筑波大学)が、2016年に引き続き6月3日(土)つくばカピオで開かれる。仕掛け人の学生プロデューサー・澤田悠太さん(24歳、筑波大情報工学研究科社会工学専攻)にイベントへの思いを聞いた。

仕組みを変える


幼い頃から音楽好きで、高校生の頃はバンドを組みX-JAPANやMr.childrenに熱中していた澤田さん。当時から音楽業界は配信サービスが主流でCDの売り上げは年々減り、音楽フェスも飽和状態。「アーティストに還元できなければ、いずれ良い音楽も聴けなくなる」と思った。

ロックの本来の意味は既成概念を壊すこと。「表現者ではなく、裏方として業界の仕組みを変えるのも同じロック」と筑波大学入学後は経営工学を学び、音楽プロデューサーを目指した。

—そもそも、イノフェスって何をするんですか。

直球ですね(笑)。でも、「何をやっているのかよく分からない」というのは昨年最も聞かれた質問でした。要は、トークショーやライブなど従来の催しの「見せ方」に最先端の技術を使い、見る側と見せる側が双方向で楽しめる新しい形のフェスです。

昨年は、m—floのライブをデジタルレコーディングしたりプロジェクションマッピングに合わせたパフォーマンスを行ったほか、映像演出を研究している学生が筑波大学ダンス部のステージ演出を手掛けました。

また、ジャーナリストの田原総一朗さんと堀江貴文さんのトークショーでは、過激な発言が飛び出すたびにお客さんがスマホからボタンを押すと、背景画面の夕暮れの街に雷が落ちるなどの仕掛けで会場を大いに沸かせました。

街中がライブ会場


2016年はベンチャー企業などのブース出展ほか、各界の著名人らのトークショーや派手な演出のライブが繰り広げられた

やがて、音楽業界の閉塞感は「革新的なテクノロジーとの融合で打破できるのでは」と思った澤田さんは1年生の時、縁あってアメリカ・テキサス州オースティンで開かれているサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)に参加した。元は学生が街を盛り上げようと企画した音楽フェスで、回を重ねるごとに映画やIT技術などとコラボし今や期間中20万人を動員。「ツイッターがここから世界に広まった話は有名です」。

—SXSWの雰囲気は。

期間中は町中に1000組超のバンドが繰り出し、民家の屋根やプールで演奏したりと、日本では考えられない光景にぶっ飛びましたね(笑)。同時に、筑波大のキャンパスはテキサスと似ているとも感じました。

4年生の夏、学園祭に出演するバンドのブッキングに関する相談でJ—WAVEに打ち合わせに行ったところ、担当プロデューサーとSXSWの話で意気投合。ちょうどラジオ局でも各界のイノベーターやベンチャー企業家を紹介する番組が始まった時期でした。それまでも、常日ごろ友達や新しく出会った人にSXSWの話をしていたのですが、やっぱりタイミングって大事だなと思いました。

—大学構内での開催には高いハードルがあった。

企画書を持参し永田恭介学長に面会したのですが、学長ご自身が「グローバル時代の諸問題の解決に向け従来型の発想を越えたイノベーションが必要」という考えの持ち主。僕が企画の主旨を説明するや否や「面白そうだね、やってみなさい」と。トントン拍子で話が進み、大学会館の講堂をライブ会場に貸していただき、ラジオ局との打ち合わせにも大学職員の方を手配してくれました。本当にありがたかったです。

何か始めるきっかけに

―つくばの印象を聞かせてください。

住民のインテリジェンスが高く、「先進的過ぎてよく分からないこと」を面白がれる人が多い。富山出身の僕のような学生も歓迎してくれる土地柄だと思います。

―運営の課題はありますか。

これまでのノウハウを引き継ぎたいのですが、こればかりはテクノロジーでどうにかなるものではありません。きちんと膝を突き合わせ、これから後輩たちに運営方法などを伝えていきたいです。

―澤田さん自身、イノフェスの意義をどう考えますか。

僕自身、「何か大きいこと」という漠然とした気持ちで企画したわけでなく、今の社会の中で大好きな音楽をどう発展させれば作り手と聞き手の間に良い循環が生まれるかを考えていただけ。それは、さまざまな分野において言えることだと思います。

最先端の技術は、とかく普段の生活とはかけ離れたものと思われがちですが、夢の技術といわれたテレビ電話やメールは今や誰もが当たり前に使う時代。私たちの知らないところで発展し続けるテクノロジーの萌芽を「ちょっと覗いてみようか」くらいの軽い気持ちで来てほしいですね。新しいものに触れることで、「自分も何かやってみよう」と思えたら最高です。将来ですか?富山に帰って、地元の活性化にこの経験を生かせれば言うことないです。


【イノベーション・ワールド・フェスタ】
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、IoT(モノのインターネット)など、最先端技術と日本を代表するイノベーターやアーティストのライブ、トークショーを絡めたまったく新しい形のフェス。昨年、筑波大学を会場に初開催され、約3000人が最先端の技術を体感した。

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