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2017年5月15日(月)

養蜂5年目、ミツバチで地域環境知る

守谷の市民団体

日本では飛鳥時代の頃から記録が残り、明治時代に最盛期を迎えた養蜂。レンゲや菜の花畑の減少に加え輸入品の台頭で国内の生産量は減少しているが、「守谷みつばち夢プロジェクト」では30代から60代の市民ら20人が集まり、せわしなく働くミツバチを楽しく育て、「自然環境の指標」ともいわれるミツバチが教える地域環境の変化に耳を澄ませている。

癒やしの場


巣の作り方は順調か、女王バチは健康かなど状態を確かめる

穏やかな陽気の4月中旬、守谷市高野にある巣箱の点検作業が行われた。ゆっくりと巣枠を持ち上げると辺りにふわりと甘い香りが漂う。「すごく重いぞ。だいぶ蜜がたまってるね」「きらきら光ってきれいね」。会員たちは、休むことなく動き回るミツバチの様子をしげしげと見つめたり、写真に収めるなど思い思いの方法で観察する。

夫婦で参加する三條和子さん(59)は当初、ミツバチの羽音が怖かったが「今では癒やし。さしずめ『ビー(Bee)ヒーリング』ね」と笑う。都内で働き、結婚後に守谷市に越してきた松本沙由樹さん(30)にとっては、仲間においしいレストランや地域のイベントを教えてもらうなど情報交換の場でもある。「世代も仕事も違う人と知り合えたし、最近は書籍でミツバチの生態を学んだり、興味が広がった」。

自然環境の指標

プロジェクトの設立は2013年4月。県議会議員の小川一成さん(69)が20年ほど前に農林水産委員になった際、「何も経験していないままではいけない」とセイヨウミツバチの養蜂を始めたのがきっかけ。そこに、虫の観察などが好きだったグラフィックデザイナーの坂上勲さん(46)や「採れたてのハチミツを食べてみたい」など守谷市民を中心に動機も年代もさまざまなメンバーが集まった。

今年は昨年からの「越冬組」と、新たに購入した2つの群れを飼育。ミツバチの活動期である3月から11月頃は、月に数回集まって巣の掃除を行ったり、幼虫の大敵であるふそ病や成育を妨げるダニが繁殖していないかなど健康状態を確認。また、健康な女王バチがいる巣に新たな女王を産む「王台」を見つけたときには取り除き、群れを分散させてしまいかねない「巣別れ」を未然に防ぐ。そのほかミツバチに影響のある農薬が使われる時期には巣箱を移動したり、晩夏に活動が活発化するスズメバチは早くから罠を仕掛けて捕獲するなどの対策を行っている。

セイヨウミツバチの行動範囲は最大4キロメートルほどで、春先はサクラやウメなど季節の花々から蜜を採集。「大規模な水田などが少ない巣箱の周辺は比較的蜜が集めやすい」とメンバー。小川さんが養蜂を始めた頃は「まるで湧くように蜂が増えた」が、ここ数年は思うように増えていないという。それでも、ミツバチは自分たちが住む街の自然環境の変化を知らせていると考え、「逆に言えば、そこに街づくりのヒントがあるのでは」。坂上さんも過去4年の結果が環境や管理が原因とは断定できないとしながらも、「ここ数年は開発などによる環境変化も落ち着いたと思う。他の地域に比べれば守谷はまだまだ田畑や樹木に恵まれているし、今の自然環境を守れれば今後も群れを増やしていくことも不可能ではないはず」と期待を寄せている。

新たな活用法模索


季節と花が違えば色も香りも味も違う。左から春のサクラ蜜、初夏のアカシア蜜、夏のクリ蜜

「植物の花粉を媒介するミツバチが絶滅すれば、人間も絶滅するといわれるほど密接な関係にある」と話す会員らは、これまで培ってきた経験や活動を通して感じたことを地域のイベントや学校などで伝えたいと試行錯誤中。

7月にはもりや市民大学で講座を開催するほか、住民らにも活動を知ってもらおうとアクリル板や網を使った安全な観察用の巣箱製作なども検討している。「いずれは、採取したハチミツを使った商品を地元の菓子店に作ってもらえたら」と夢は尽きない。


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