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2017年5月1日(月)

「茨城・生と死を考える会」25年で幕

話して・泣いて・一歩前へ

家族や知人など近しい人を亡くした悲しみを分かち合い、生きる力を見いだしていく「茨城・生と死を考える会」がこのほど25年の活動を終了した。「たとえ一人でも来る人がいれば」と毎月1回、会場で待機した事務局の太田幸栄さん(土浦市、59歳)は、これまで多くの人の悲しみに耳を傾けながら心をケア。今後は、会によって救われた人たちが活動を引き継ぐ。

小児患者の一言


多くの人を見守ってきた発起人の大和田さん(右)と太田さん

会の発起人で代表世話人の大和田幸子さん(千葉県、71歳)は満州生まれ。引き上げ船で赤ん坊を海に投げ捨てた人もいたなど悲惨な話を母に聞かされて育ったせいか、小さい頃から人の生死に関心があり看護師の道へ。

初めて担当した小児病棟に白血病の男児と女児がいて、女児が亡くなった翌日、ベッドを片付けていると男児がそっと近寄り「人間って死ぬんだね」とつぶやいた。その先の「自分もいつか死ぬのかな」という言葉を飲み込む表情に胸が詰まり、「看護師の仕事とは何だろう」と考えさせられた。

答えを探る中で上智大学名誉教授アルフォンス・デーケンさんの講演を聞き、自分の役目に気付いた。1992年、同教授が名誉会長を務める東京・生と死を考える会の支部「茨城・生と死を考える会」をボランティアの世話人数人で発足。そこに「カウンセリングの勉強になれば」と看護学校教官の太田幸栄さんが参加し、事務局を担うことになった。

「死と向き合うことは人を優しくする。きょう1日を楽しく生きようと思えるようになります」と大和田さん。くしくも会発足から数カ月後、大和田さんは娘夫婦を交通事故で失い、会の存在の大きさを実感することになった。

語り・支え合う

龍ケ崎市在住のYさん(62)は10年前、当時56歳の夫を病気で亡くした。子どもの手前、昼間は気丈に明るく振る舞ったものの夜になると一人号泣。そんなときに会を知って参加し、ほかの人の話を聞いて「みな同じようにつらいんだ」と思うと心が軽くなった。人のために一緒に泣き、胸の内をさらけ出す。そんな場が生きる力になり10年間通い続けた。

南部節子さん(龍ケ崎市、72歳)は13年前、夫を自死で亡くした。当時夫は58歳で節子さんは59歳。21歳の娘と19歳の息子が残された。腕の良いエンジニアだった夫は都内の会社を経て神奈川の会社に転職。単身赴任で週末しか会えない生活が続き、やがて3日ほど行方不明になり3カ月休職。職場復帰して8年目に自死。「なぜ、あの時に声を掛けなかったのか—」など後悔ばかりが募り、外にも出られなくなった。助けてくれたのは二人の子どもと、毎日のように話を聞いてくれた近所の人たち。歩き出さなければと茨城・生と死を考える会に参加した。当初は顔を見られるのも嫌だったが、人に話すことは夫が生きた証しを残すことだと娘に諭され、今は同じ思いの人の力になればと積極的に講演も行う。

「今でも生きていてほしかったと思うことはありますが、人に会うことで元気が出ます」と南部さん。

つなぎ・始まる


活動を引き継ぐ南部さん(右)と吉井さん

去る3月下旬、考える会の幕を引く最後の講演会で長年会を支えてきた赤萩栄一医師(古河市福祉の森診療所)が、がん患者・家族と向き合ってきた20年を語った。医師として「治療以外にできることがあるはず」と患者・家族の会を立ち上げ、電話相談も開設。末期患者の「きょう1日を精一杯生きる」気持ちを支えている。

そして、語る会の趣旨は南部さんが開く「ゆったりカフェ龍の会」(龍ケ崎市)と、土浦市で女性のためのカウンセリングルーム「ら・くぅる」を開く吉井恵美子さんが受け継いでいく。

交通事故で亡くなった大和田さんの娘夫婦の息子は、看護師の道を歩み始めた。


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