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2017年4月10日(月)

街なかの個性を強みに変える

ブランドを伝えるロゴ展開く 佐山剛勇さん

クリエイティブ・ディレクターとして長年つくばのまちづくりに関わってきた佐山剛勇さん(つくば市)が、これまでに制作した企業や大学、研究所などのロゴマークを紹介する「65歳のロゴ展」を、4月11日(火)〜16日(日)までつくば美術館で開催する。行政のプロデュースから地域・企業の活性化まで幅広い仕事を手掛けながら、まちづくりを担ってきた三十数年。その軌跡を「ロゴ」で伝える。


「今回の展示はごく一部。次があるかも」と佐山さん

展示のタイトル「65(ロゴ)歳のロゴ展」で分かるよう、自他ともに認めるダジャレ名人。どこか力が抜けているようで実はギュッとツボを押さえ心地よい。

そんな発想と感覚は年齢に反比例して日々進化し、小さい頃の夢はまちづくりに方向を変えて開花した。

 

独立独歩の青年期

古河市出身。父は畳職人で母は種苗店を経営していたが、倒産して生活が一変。5、6年で何とか見通しをつけた10代後半、寝袋一つで旅に出た。折しも時代はヒッピーが騒がれたころ。仙台のコミューンを巡った後に上京し、働きながら子どもに絵を教えたり児童心理学を学んだりした。もともと絵は得意で、小学生の頃にポスターで賞を取って「デザイナーになる」と決め、中高時代はコンサートのポスターや冊子の表紙などを描いていた。

24歳からフリーのグラフィックデザイナーとして仕事を始め、国が進める筑波研究学園都市に興味をひかれて移住したのが27歳の時。しかし、そこで感じたのは住民不在の冷やかさ。人の顔が見えず、中心部と周辺地区が分断していた。

地方だからできること


若いスタッフを育てながらの仕事風景

79年、ライブハウスなどで出会った筑波大学の学生有志と「まつりTsukuba」を発足し、コミュニティーづくりを研究テーマにした活動を開始。82年にはアパート一間で会社を立ち上げ、苦しい経営をアルバイトでしのいだ。3年後のつくば科学万博でパンフレットやサインのデザイン、コンパニオンの教育などで景気づき、次第に公共性をテーマにしたプロデュースや企業の広報戦略、ブランディングなどを手掛けるようになった。

根底にあるのは「街の中の一つ一つの存在を魅力的にブランド化することで住んでいる街を楽しくしたい」との思い。それを形にしたのが「パンの街つくば」のプロデュース。さらに、地方だからこその個性をデザインという手法で磨けば「強み」にできるはずと、09年からは「つくばスタイル縁日」をスタート。長く地域に根づくなりわいや活動にスポットを当て、新たな交流の場になるよう実行委員長として毎年実施している。

作ってからが勝負

仕事で最優先するのは「相手の熱意と本気度」。その思いが本物なら話を聞いている間に構想が膨らみ、キーワードを見つけて具体的な作業に取り掛かる。これまで手掛けたロゴには、そうしたクライアントの姿勢や思いが線1本、点一つにも凝縮され、未来に継承されていく。

「ロゴは作品ではなく社会の中で使われる道具です。だから作って終わりじゃなく、できてからが勝負。長く伴走する気持ちが大事」

そんな伴走も36年。今展は、これまで手掛けた数々のロゴの中から選んだ65点をパネルにして展示し、つくばの歴史と移り変わりを伝える。併せて小沼寛さん(栃木県在住)の陶芸作品を展示するほか、4月15日(土)にはデザイン座談会も開く(午後1時40分〜4時)。出演は茨城デザイン振興協議会歴代会長の藤代範雄さん、倉田稔之さん、佐山さん。入場無料。

「展示会なんておこがましいんですが、この展示からまた新しい交流が生まれればいいなと企画しました。65歳は1回限りですしね。でも、次は老後のロゴ展を開くかもしれません」

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