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2017年3月10日(金)

ゲームやアニメで疑似体験

避難所運営の難しさや故郷を失った被災者の思い

次々と想定外の出来事が起きる「避難所運営」をスリリングなカードゲームで楽しんだり、原発事故により故郷を失った被災者の無念をアニメで知る―。東日本大震災から明日で6年を迎え、大震災の教訓をユニークな方法で“自分事”に学び直す取り組みに注目が集まっている。

避難所HUG


とっさの判断が迫られる「避難所HUG」=2016年3月11日、土浦市内

震度5弱以上の地震が起きた際、市内28の小中学校に避難所立ち上げの初動対応を行う「直行職員」を配置している土浦市。東日本大震災時、直行職員として都和小に駆け付けた中泉道夫さん(現・同市危機管理室)は親と帰宅する児童を見送り、校舎に大きな被害がないことを確認。ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、日が暮れてインフラが止まった周辺住民が避難所に押し寄せてきた。受け入れ名簿に、県外の住所があった。たまたま通りかかった旅行者も避難していた。「まさに想定外。防災に“方程式”は通用しない」と痛感した。

「●●地区5人家族、一人は臨月の妊婦」「盲導犬を連れた女性」「炊き出し300人分到着。優先順位は?」「外国人観光客、英語話せる人いますか?」

2016年3月11日、避難所運営ゲームHUG(ハグ)の体験会が土浦市内で開かれ、多くの市民が参加した。2007年に静岡県が開発したカードゲームで、プレイヤーは教室や体育館に見立てた机上に次々と読み上げられる避難者の場所割りを行い、炊き出し場や仮設トイレの配置ほか視察や取材などにも対応。架空の現場を任されたプレイヤーの決断が遅れても読み手はお構いなし。終了後は意見交換し、避難所運営の難しさを学んだ。時間との闘い、想定外の連続、意見の食い違い—。当日参加していた中泉さんは、「まさにあの日とそっくり」と思った。

先月、同市ではHUGを2セット購入。直行職員に“来たるべき現場”の雰囲気を体験してもらい、ゆくゆくは全職員への実施を検討している。中泉さんは言う。

「ゲームを通した『気づき』が大切。それでも想定外は起こるんです」。

アニメ「無念」


アニメ「無念」の1シーン。「全国の消防団に見てほしい」と八島さん

「浪江町の避難指示は帰還困難区域を除いて3月末に解除されっけど、帰れる人はわずかでしょうね」

岡洋子さんと八島妃彩さんは、生まれ育った浜通りを離れ6度目の春を迎える。町の昔話や震災の記憶を住民から聞き取り、4年前から「浪江まち物語つたえ隊」として仮設住宅や学校、公民館などで紙芝居を上演する二人。福島弁で昔語りすることで町の文化を掘り起こし、故郷を失った町民の「あるがまま」を伝えている。

数ある紙芝居の一つだった「無念」がアニメ化されたのは2016年3月。原作に町民の被災体験も加え、つたえ隊とまち物語制作委員会(広島市)が50分の大作に仕上げた。原発事故で行方不明者の捜索を中断せざるを得なかった浪江町消防団の苦悩を描いた物語には、俳優の大地康雄さんや馬場有町長、町民有志が声で出演。昨冬のつくば上映会では市内に住む浪江町出身者も鑑賞し、会場からは嗚咽が漏れた。

手塩にかけた野菜を見つめ「捨てっか…」とつぶやき、故郷を捨て「俺だけ逃げた」と自責の念に駆られる登場人物—。「最後のたき火を囲むシーンのアテレコでは、皆で胸のつかえを吐き出した。泣けて泣けて…。もはや演技じゃなかったね」と岡さん。八島さんも「肩の荷が下りた気がする」。アニメはこれまで全国700カ所以上で自主上映され、今月には世界有数の原発立地国・フランスでの公開も控える。

昨年から、つたえ隊では東電社員にも紙芝居で「浪江の無念」を伝えている。「多くの人の人生を変えた原発事故にきちんと向き合ってほしい。そして、私たちの思いを知ってもらいたい」。

「無念」は3月11日午後3時から土浦市のモール505CoCoハウス跡で上映。
■問い合わせ TEL 090(5806)2500/わくわくプロジェクト・日辻さん

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