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2016年12月26日(月)

1月末まで「食品寄付」強化月間

地域社会に根付くフードバンク

「もったいないをありがとうへ」を旗印に、5年前から生活困窮者へ食の支援を始めたNPO法人フードバンク茨城(大野覚理事長)。地道な取り組みが功を奏し、支援の輪は行政や地域社会、地元企業に広がっている。同NPOでは2017年1月末まで大規模な食品寄付キャンペーンを行うが、一方で人手不足や慢性的な「需要と供給の不均衡」に悩まされている。

衝撃的な数字


フードバンク茨城には、食料品が時々刻々と集まる

2016年3月、日本財団が発表した数字に同NPO理事長の大野さんは衝撃を受けた。子どもの貧困の社会的損失推計(2016年)によると、県内で貧困状態にある子どもは過去最多の3万5000人。「大きな災害もなく気候も穏やかで、生活は比較的豊か―。そんな一昔前の“茨城の常識”は崩れているのかも」。

昨年度、同NPOに提供された食品は約87トン。供給は約90トンで足りない分はそれまでの備蓄で賄った。5年の活動が浸透したためか個人の食品提供は前年比2.2倍に。一方、2015年4月の生活困窮者自立支援法施行で各地の社協に相談窓口ができニーズが「見える化」。福祉施設に加え個別世帯への食品提供依頼が急増し、需要と供給の慢性的な不均衡が生じた。

同NPOでは昨夏から県内10市町村・36カ所の公共施設等にきずなBOX(食品収集箱)を設置。スタッフが定期的に回収し、社協から相談者の状況報告を受け、「食べ盛りの子どもがいれば米を多く、今の時期ならばクリスマスを意識してお菓子を入れたりします」と大野さん。

助け合いのまち

そんな心のこもったギフトを届けた経験のある牛久市社会福祉協議会地域包括支援センターの細谷幸生さんは、「飛び上がって喜ぶ子どもの笑顔に癒やされますが、正直胸も痛みます」と話す。

同センターによると、同NPOが設立された5年前に年間数件だった食糧支援は、今や当初の20倍超に急増。法律制定以降、一人親家庭の相談が増え「次の就職先が決まるまで」「復職したが実際に給料が出るまで」など「つなぎ」の利用が多いという。同センターの清水昌樹さんは、相談者に食糧支援の話をそれとなく伝える。勇気を持って相談に来た心情を察し「自立できるようにするのが私たちの仕事ですから」。

牛久市内には県内最多14カ所のきずなBOXがあり、今秋から図書館や体育館など7カ所にも新設。市内の子育て広場のボックスには食品だけでなく粉ミルクやおむつも入るようになった。社協のボックスには「私は何不自由なく暮らせていますから」と毎月大量の食品を入れていく人もいる。そして、市役所ロビーのボックスには、市民だけでなく出勤した市職員も善意を投函するのが日常の風景となっている。

地域のスーパーとして


牛久市社協内の「きずなBOX」には毎月“名もなき伊達直人”が食料品を置いていく

「まだ食べられる商品を廃棄するのが正直いつも心苦しかった。地域の役に立ててうれしい」と話すのは、フードスクエアカスミ牛久店店長の中嶋義治さん。

カスミでは、11月のひたち野うしく店を皮切りに12月中に牛久市近隣5店舗でフードバンクへの食品寄付を本格化させた。同社基準に基づき賞味・消費期限前に店頭から撤去された商品を従業員がカゴに入れ、2週間に一度フードバンク茨城のスタッフが回収。同社環境社会貢献部の担当者によると、県内スーパーのこうした取り組みは「恐らく初めて」で、ひたち野うしく店では開始2週間で米25キロ、食料品約10キロが集まった。同社では今後も対象店舗についても検討していくという。

フードドライブ実施中

食の支援が地域に浸透する一方で、深刻なのが人手不足。現在、フードバンク茨城ではスタッフを募集中で、2017年1月末まで全国統一のフードドライブ(食品回収)キャンペーンも実施中。未開封の缶詰やインスタント・レトルト食品、調味料など(賞味期限2カ月以上)を募っている。

■問い合わせ
tel.029(874)3001/フードバンク茨城(牛久市牛久町1024-1パルシステム茨城うしくセンター内)

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