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2016年11月19日(土)

『ヴェニスの商人』漫画で“新解”キャラづくりに腐心

漫画家 横井三歩さん

2016年4月、シェイクスピア没後400年を記念する国際グラフィックコンペで特別賞に輝いた漫画家の横井三歩さん(35歳・牛久市在住)の作品が、11月30日(水)まで筑波大学体育・芸術図書館に展示されている。受賞作『新解ヴェニスの商人』は原作にはない序章を描いたもので、人物の内面を斬新な視点で描いた力作。「若い人にも視野を広げてほしい」と新たな挑戦を胸に絵筆を握る。


「漫画は自由なもの。人を笑わせることも驚かせることもできる」

『ヴェニスの商人』は、中世イタリアの架空都市を舞台に繰り広げられる商人の取引と恋を描いたシェイクスピアの名作戯曲。受賞した漫画は、原作では描かれていない中心人物2人の出自や出会いを加え大胆にアレンジ。

一人は若干14歳で亡父の事業を継ぎ、情に厚く無垢でナイーブな一面がある商人アントーニオ。そしてもう一人は黒死病が蔓延する中で命を拾われ、弱肉強食の教えを胸に「絶対に成り上がってやるんだ」と決意する高利貸しのシャイロック。

「原作だとユダヤ人のシャイロックは悪役になりがち。でも言動は人種によるものではなく、それぞれの境遇によるものにしたかった。個々の背景を想像して登場人物を作るのは大事だし、何より楽しい作業でした」

「好き」を仕事に

本格的に描き始めたのは大学の漫画研究会に入ってから。処女作は物語に反して人物の絵が「不気味になってしまった」が、それならいっそ怖い漫画を作ってみようと描いた作品を出版社に持ち込むと、意外にも好評だった。それから漫画の設計図ともいえる「ネーム」を送り、講評してもらう日々。いつしか漫画家を目指すようになり、卒業後すぐに少年誌の新人賞を受賞した。幸先よく連載の話も持ち上がったが、プロになれる一歩手前で「どんなものが面白いか自分で分からなくなり」一度は商業漫画の世界を離れた。

その後、趣味で描いた作品を見て声を掛けてくれた知人の下でゲーム制作に参加。仲間と意見を交わしながらの作業は楽しく、出来上がった作品はゲーム情報誌から高評価を得てゲームのコミカライズ(漫画化)の仕事も舞い込んだ。素直な感想がつづられた読者からの手紙を読むと「漫画家になって良かったと実感するし、やりがいのある仕事だと思える」。

内面重視のキャラクター


「マッチョに描かれがち」なアントーニオは内面を反映したかわいらしいキャラクターに

ある日、大学時代の恩師からシェイクスピア没後400年を記念するグラフィック作品のコンペの話を聞いた。シェイクスピアが好きだったこともあり、さっそくシナリオを書いてみると作家としての好奇心をくすぐられ、仕事の時間をやりくりして約2週間で描き上げた。当時の時代背景なども調べたが、事実に縛られるより登場人物の内面を表現した分かりやすいキャラクターづくりに腐心した。

例えば、シャイロックの過去に秘密を持たせ、それを暗示するように仮面を被せる。単純な善悪の物語ではなく、キャラクターに感情移入しやすいよう言動の発端になる背景を丁寧に描いた。作品は審査員から「斬新な視点」「人物の心の在り方に説得力を持たせる新たな場面」と評価された。

シェイクスピアの命日である2016年4月21日、『ハムレット』の舞台となったデンマークのクロンボー城で行われた授賞式に出席。他の応募作品に刺激を受け、世界的劇作家の研究家や芝居を学ぶ大学生と交流し、大きな収穫を得た。

海外挑戦で視野広げる

2015年3月からは、制作活動やビジネス展開を県が支援する「いばらきクリエイターズハウス」に入居し、多彩なジャンルのクリエイターと切磋琢磨。創作話やイベントなどで交流を深め、互いに創作のヒントが見つかることもある。

海外に出てみて「創作の幅が格段に広がることも実感。僕は休息より努力していたいタイプ。やりたいことだらけですよ」と目を輝かせる。

2017年1月13日(金)、14日(土)につくば市で開かれる「いばらきコンテンツコレクション2」にいばらきクリエイターズハウスを中心に県内の作家と参加する。

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