常陽リビング社カルチャー教室ブログ
一面記事
イベント記事
グルメ記事
ショッピング記事
美容記事
ハウジング記事
バックナンバー
現在位置 : トップ > 常陽リビング一面記事 > 下妻市ふるさと博物館再開 12月まで彫刻展
2016年11月11日(金)

下妻市ふるさと博物館再開 12月まで彫刻展

水害から1年2カ月ぶり

2015年9月の関東・東北豪雨で床上浸水した下妻市ふるさと博物館が、約1年2カ月ぶりに再オープンした。多くの資料や収蔵物と共に、同市出身の日本芸術院会員・市村緑郎氏(故人)の彫刻も水没したが、復旧には高校生らが自主的に参加。同館は12月11日(日)まで無料開放され、「水害を乗り越えた街の宝物を見に来て」と多くの来場を呼び掛けている。

下妻の宝物


修復を終えた彫刻。11月2日の内覧会には多くの関係者が詰めかけた

当初、昨秋に予定されていた市村緑郎作品展は1年越しの開催となった。真新しいカーペットに所狭しと並ぶ彫刻群。日展や白日展で数々の受賞歴を持つ市村氏(1914〜2014)の作品は、「下妻市民なら市内のどこかで必ず目にしている」と下妻市ふるさと博物館館長の横堀孝徳さん。

今展では砂沼や文化会館、4年前に新校舎が建てられた東部中、下妻一高、二高などに点在するブロンズ像の原型に加え、初期の筋骨隆々とした男性像や豊満な女性像、ロダンを思わせる中期の具象作品、スマートな近作まで貴重な42点が並ぶ。木製や樹脂製に交じり、中には水没で足元に薄い茶色の靴下をはいたような染みが残る石膏もある。

同館学芸員の菊池桃子さんは「被災5カ月経っても彫刻の内部から水の音が聞こえたほど。それでも、皆で力を合わせたからこそ下妻の宝物が守れた」。

復旧への困難


被災後いち早く駆けつけた下妻二高野球部員によって運び出される彫刻

2015年9月10日午前、市内の前河原地区から越水した水は音もなく博物館に忍び寄っていた。「早く逃げた方がいい」。昼前、隣接する温泉施設の職員が駆け込んできた。急いで避難したが水は数時間足らずで人の背丈を軽く越し、翌日出勤すると職員らは床上30センチの水と大量の稲わらの処理に追われた。

泥を含んだマットをはがし、汚れた資料や文化財は「考えながら運び出している余裕はなかった」と菊池さん。エレベーターをこじ開けると中からドーっと水が流れ出し、電気系統の故障でエアコンが使えず、紙の資料はめくれとカビに悩まされた。特に同市出身の詩人・横瀬夜雨が選者の『女子文壇』26冊はカビがひどく、浸食を防ぐため茨城県自然博物館で冷凍保存し現在は東北大学で真空凍結乾燥されている。

被災2日後、駆けつけた下妻二高野球部員や下妻中学校教職員、同中女子バスケ部員らと市村氏の彫刻を運び出し洗浄した。「頼んでもいないのに来てくれて、本当に助かった」と横堀さん。彫刻は長時間泥水に浸かっていたため漆の層がはげて変色し、いったん水に浮いて引いた際に破損したものも。職員らは歯ブラシや刷毛で泥を落とす地道な作業を続け、最終的には専門の業者がドリルで穴を開け中の水を抜いた。

細かい修復には作品の写真を見ながら市村氏のタッチや息遣いが感じられる指紋なども忠実に再現。「一般家庭の家具のようにダメになったから新しいものを—とできないのが博物館の復旧の難しいところ。収蔵庫の下段に置けば今回のような水害が、だからといって上では地震が心配」と同館では今後の対応に頭を悩ませている。

自然との共生

11月2日の再オープンには市村氏の妻・晴子さんも出席し、内覧会で関係者に作品を解説した。「実は夫の作品テーマは自然との共生。作品が放つパワーとのせめぎ合いで作っていく『共創』も大事にしていた。自分の感性で好きな作品を見つけてほしい」と、今回初めて作品のレリーフとデッサンも公開する。

菊池さんも「見る角度や午前中と午後の光で表情も変わる。ぜひ間近で見てほしい」と観覧を呼び掛けている。

11月12日(土)午後1時半からは晴子さんと彫刻家・清家悟氏のギャラリートークも行う。会期中入館無料。月曜休館。

TEL 0296(44)7111/博物館

関連コンテンツ
Ads by Google


女性ライフスタイル情報紙「Chou*Chou」
最新の一面記事
  1. かすみがうら市“仲人業”登録者に好評
  2. 暮らしに「笑顔」を届けたい
  3. 被災者「心」のケアに従事
  4. 土浦と大曲、わが師の恩〜北島義一が遺したもの
  5. プロから社会人に「復帰」
注目の記事
  1. 相続や贈与などで土地を取得した人向けの「相続税対策セミナー」が、11月24日(日)常陽リビング社で開かれる。
  2. 全国のご当地カレーが勢ぞろいする「土浦カレーフェスティバル」が、11月23日(祝)と24日(日)J:COMフィールド土浦で開かれる。
「常陽リビングニュース」最新記事
  1. かすみがうら市“仲人業”登録者に好評
  2. 学ぼう、他では聞けない「新時代、相続税対策セミナー」
  3. 「れんこん祭」
  4. 「わたしの手」テーマに高齢者アート体験
  5. 11月17日「フェスティバル神立」
つくばスタイルBlog
つくばエクスプレス沿線地域の魅力あるライフスタイルや地域情報をお届けします。
茨城イベントカレンダー
「常陽リビングニュース」アクセスランキング