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2016年1月25日(月)

元看護師の著述家 小林光恵さん

すべては「失敗」から始まった

新米看護師だったころの実体験を基にした漫画『おたんこナース』の原作者、小林光恵さん(つくば市在住、55歳)は、4年あまりで看護師を辞め編集者に転身。年数は短かったものの、人の生死と自身の未熟さに向き合った看護師時代は濃密で、何より「人として大切なもの」を患者に教わった。その出会いと経験に後押しされて「ナース」シリーズが大ヒット。失敗があって今の自分があると実感している。

看護実習の衝撃


「取材や講演から戻ると、書斎で好きな音楽を聴きながら次の作品イメージを広げています」(つくば市の自宅書斎で)

行方市(旧玉造町)生まれで幼い頃は内気でおとなしい少女だった。鉾田一高卒業後に大学の文系入学を志したが受験に失敗し、資格を取るために「何となく」看護専門学校に進学。

入学して約半年後、病院での看護実習があり患者と初対面。担当になったのはパーキンソン病で寝たきりだった50代の男性。体を拭くために横に向けると、ひどい床ずれで肉はそげ、尾てい骨部分に大きな穴が開いていた。それを見た瞬間に気絶し、目を覚ましたのはリネン室の簡易ベッド。後で指導担当の看護教員から「患者さんの立場になったら、倒れられたりしたら不安になるでしょう」と注意され、泣きながら男性に謝ると「気にするな、気にするな。まだ素人、素人」と逆に慰められた。

それから1週間はその男性患者と毎日向き合い、互いの身の上話をするなど打ちとけた。そして、実習の最終日に「頑張れ。あなたみたいな看護師がいてもいいと思うよ」と励まされた。

数年後、男性は亡くなり、最期まで「あの学生はどうなった」と心配していたと伝え聞いた。「何もできないダメな看護学生だったからこそ、互いに心を開いて通じ合えた」と心に刻んだ。

重圧と転機


代表作の『おたんこナース』やテレビドラマになった『ナースマン』。 

看護学校卒業後に都内の病院に勤務したが、当然ながら学生としての甘えは一切通じない。「ダメな自分が仕事でミスをするのが怖くて、責任の重さにつぶされそうだった」。

悩みを誰にも話せず孤立することが多くなり、睡眠薬を飲まないと眠れない日が続いた。そんなプレッシャーの日々に耐えられず、総看護師長に生意気な言葉を吐いて病院を退職。一人アパートに戻って看護師免許を破いて捨てた。「あの頃はパンに歯磨き粉を付けてしまうほど心身ともに追い込まれていた」。その後、冷静になって自分の衝動的な行動を反省し、免許を再交付してもらった。

病院を辞めてから憧れていた出版社の仕事を目指して日本エディタースクールに通い、卒業後出版社に入社。看護師時代の体験を基にエッセーを書いたところ、人気漫画家・佐々木倫子さんの目に留まり、漫画雑誌で『おたんこナース』の連載がスタート。ドジな新米ナースの本音を赤裸々に描く作風が話題となり一躍脚光を浴びた。

そして、その頃に看護師が集い、悩みを共有する「N3(ナイスナースネットワーク)」を立ち上げ、若手看護師を応援する活動も。その後『ぼけナース』『ナースがまま』などシリーズ物を執筆し、『ナースマン新米看護士物語』はテレビドラマ化された。

医療の新分野へ

現在は執筆活動を続けながら講演で全国各地に赴き、自分をさらけ出すことで新人看護師にエールを送る機会も増えた。

また、「生前にかかわった患者さんが亡くなった時のケアを充実させたい」と、看護師時代から抱いていた思いを広めるために2001年にはエンゼルメイク研究会を発足。

「看取り」をテーマに病院や在宅でのターミナルケア(末期医療)やエンゼルケア(死後ケア)の研究活動と普及にも力を注いでいる。

「これまでたくさんの失敗をし、そのたびに多くの人に支えられてきました。その貴重な経験を一人でも多くの人に伝えていきたい」




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