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2015年07月06日(月)

「暮らしの文化」絵本に込めて

イラストレーター 柳下ミキさん × 児童文学作家 本木洋子さん

キャリア30年超の児童文学作家、本木洋子さん(牛久市)と新米イラストレーターの柳下ミキさん(つくば市、23歳)が手掛けた絵本『神さま・ほとけさま〜宗教ってなんだ!(玉川大学出版部)』がこのほど出版された。「知っているけど実はよく知らない」日本の歴史や民俗を分かりやすい文章とユーモラスなイラストで紹介。祖母と孫ほど年が離れた二人は出版後初めて顔を合わせ、作品への愛着を募らせている。


出版後にお互い同郷と知り「まさかこんなに若いお嬢さんとは」と驚く本木さん(右)に「とっても刺激を受けました」と柳下さん

『神さま・ほとけさま』は道祖神やお百度参り、馬頭観音や十三夜など、誰もが一度は耳にしたことがある民俗文化を擬人化したキャラクターが独特のセリフで語り掛ける見せ方で、八百よろずの神など日本古来の信仰の在り方を伝える絵本。

企画が本木さんの元に舞い込んだのは一昨年夏で、絵はコンペで募った。形のない文化や習慣を描きつつ本木さんの文章を生かすのは至難の業。

「いわゆる挿絵ではなく、キャラが一人立ちするようなイラストを描ける人を探していた。だから随分厳しく見ましたよ」と本木さん。

制作中、良い絵本を作りたい一心で編集者を介し何度もやり取りを重ねたのが、イラストレーターとして独り立ちしたばかりの柳下さんだった。

迷い、探し続ける日々

幼い頃から読書が好きで、暇さえあれば4コマならぬ「6コマ漫画」を描いていたという柳下さん。高校卒業後、都内の専門学校に進み在学中に自主製作した絵本を出版。恩師の山口マサルさんからは「常に面白い事を考え、調べ歩き、1枚の絵を最低10パターンぐらいアウトプットしなさい」と教わった。卒業後は絵本作家養成の「あとさき塾」に入り、「思わず笑顔になるような楽しいイラスト」を磨いた。

恩師に紹介されて応募した今回のコンペで見事採用されたものの、本木さんの文章に合う絵はなかなか描けなかった。

そんな時に相談したのが祖母の喜久さん(76)。毎朝仏壇に供える水、一緒に行った近所のお大師さん、自分が生まれた時に亡くなった祖父の盂蘭盆会のこと―。探し求めていた絵の核心は三世代で暮らす家の中にあった。

その後も図書館で関係書物を読み、各地のギャラリーなどにも足を運んでは絵筆を走らせた。こつこつ描いていくと、「ようやくキャラが自分に話しかけてくるようになったんです」。

民俗学に魅せられて


歳神が乗り移る「門松」もコミカルに描いた(C)玉川大学出版部

東京生まれの本木さんは昭和20年5月の空襲で焼け出され、3歳で土浦に移住。幼い頃から本好きで、7つ上の姉の少年少女小説をむさぼり読んでは寝床で空想にふけった。

運命の出会いは大学2年の時に履修した民俗学。全国に残る年中行事や儀礼などを映像で見ていると、幼い頃とどまることなく膨らんだ「わくわく」がよみがえってきた。体調を崩し大学は中退したが、音楽関係の仕事に就いて秩父まつりなど各地の民俗音楽を調べ歩いた。

結婚して出産後、生死をさまよう交通事故に遭い表現活動ができない時期が長く続いた。そんなある日、通院時に神田の古本屋で出会った肥後の石工に関する本に自分の原点を再発見。児童文学学校に入学したり、仲間と同人誌を作るなど表現活動を再開した。

帰郷後、茨城民俗学会に入ると常陸太田市の市史編さん事業に加わり、調査員としてフィールドワークを重ねて各地の民話や民謡を収集するなど全国に足を延ばした。そして42歳の時、現代に生きる山伏の子孫が活躍する冒険譚『蘇乱鬼と12の戦士』で遅咲きのデビューを飾った。

◇   ◇   ◇

お互い顔も知らず、ましてや茨城出身とも知らないまま以心伝心で創り上げた絵本。

初めての作品となった柳下さんは「祖父母がいない子が楽しく読んでくれればうれしい」。本木さんも、「知っているようで実はよく知らない日本文化を知ってほしい。そして、これからも活字の面白さを伝えたい」と話す。

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