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茨城歴史散歩
[2010-07-13 up]

梶ノ宮神社 - 土浦市

大嵐から船守った舵取り大明神伝説


梶ノ宮神社(手前)と八坂神社が並ぶ社殿。普段は外からの見学

杉林の中にたたずむ神社。毎年7月末に「田宮囃子」(県指定無形民俗文化財)が奉納される

梶ノ宮神社は室町時代に土浦市高岡にある法雲寺を開山した復庵和尚(ふくあんおしょう)の創建といわれ、その名の由来になった伝説が残っている。

小田氏5代宗知の子で後に出家した復庵和尚が中国での修行を終え、20年ぶりに帰国した際に九州に向かう航路の途中大嵐に遭遇。東シナ海の荒海に船は激しく揺れて海水が流れ込み、帆柱も折れ誰もが死を覚悟した。

しかしこの時、一人のたくましい水夫が巧みに舵を取り、さらにもう一人の水夫が櫓(ろ)と櫂(かい)の指揮を執って残った帆を守ったことで気を取り直した乗組員たちも必死で水をくみ出し、最悪の事態を乗り切った。そして折れた帆柱で帆を揚げると船はぐんぐん進み、予定より一日早く博多に到着。復庵にはこの二人の水夫が旅の守護神といわれる猿田彦命の化身に映ったという。

小田氏の下に戻った復庵は1332年(正慶1)に法雲寺の前身、揚阜庵(ようふあん)を建立。名僧となった後もあの船旅の感銘が忘れられず、寺の北の鬼門に当たる現在の土浦市田宮地区に神社を建て、猿田彦命を祭神とし「梶取大明神」の称号を祭ったことから「梶ノ宮神社」となり、村人は旅の無事を祈願した。さらに天神山に祭った「帆取天神」は、後にほこらが梶ノ宮境内に移され、今も静かにたたずんでいる。

同じ社が二つ並んでいるのも特徴的で、左側が梶ノ宮神社、右は八坂神社となる。「これは20年に一度社殿を造り替える伊勢神宮と同じ形式だった名残です」と郷土史家の伊藤三雄さん。明治に入り、同じ地域内に散在するほこらや神社は一カ所に集める「寄せ神」の県令が下されたことから、田宮地区内にあった八坂神社が梶ノ宮の古い社に移された。


 

梶ノ宮神社 - 地図

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