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茨城歴史散歩
[2009-11-27 up]

師付(しづく)の田井(たい) - かすみがうら市

万葉歌人が詠んだ黄金色の田園風景





碑の裏手には豊富な水がわく

かすみがうら市中志筑。志筑藩本堂氏の菩提寺・長興寺の参道横を通り抜けた先に開ける田園風景の中に、「師付の田井」の碑が建つ。

古くは「信筑」「雫」「師付」などと呼ばれた「志筑」が初めて歴史に名を残すのは常陸国風土記。その名を広めたのは719年(養老3年)、常陸国の役人として中央から派遣された高橋虫麻呂。「草枕 旅の憂を慰もる事もあらむと筑波嶺に 登りてみれば尾花ちる 師付の田井に雁がねも寒く来鳴きぬ 新治の鳥羽の淡海も秋風に白波立ちぬ 筑波嶺のよけくを見れば長き日に 思ひ積み来し 憂は息みぬ」と詠み、秋の筑波山からススキの穂が揺れる志筑の田園風景を眺め、長い間思い悩んでいたことから解放された心情をつづった歌は、万葉集に編まれた。

碑の裏手には豊富な水がわき、「水田の中の井戸」という意の「田井」が詠まれたことから、ここが古くから水田地帯だったことが推察される。水が貴重だった時代から生活を支えてきたわき水に感謝し、1972年(昭和48)に碑が建立された。

江戸時代には万葉集に詠われていたこともあり「志筑」はあまたの歌人あこがれの地に。歌会が開かれたほか、1715年(正徳5)には水戸藩の旅日記『水戸街道道中記』に「此雫も常陸の名所也」と記述され、その名は全国に知れ渡った。


 

師付(しづく)の田井(たい) - 地図

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