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茨城歴史散歩
[2009-09-11 up]

常総鉄道三所支線と古レール柵 - 下妻市

知られざる鉄道史 近代化の産業遺産


在りし日の三所支線。写真中央が小坂さん。

ナシ畑とのコントラストが映える騰波ノ江駅の古レール柵(ベルギー・プロビデンス社製)

1913年(大正2)の開業以来、関東平野を走り続ける全長51.3kmの関東鉄道常総線。時代を超えて市民の足として親しまれる鉄道の産業遺産が、沿線各駅にひっそりとその面影を残す。

■ スピード開通
関鉄の前身「常総鉄道」は1835年(明治28)取手―下館間を結ぶ路線として発起。初代社長は麻生首相の曽祖父・竹内綱で、軽便鉄道法免許が交付された翌年に「常総鉄道株式会社」を設立した。

1912年(大正元)に業務を開始し翌年2月に起工式、その8カ月後の11月1日には営業を開始。鉄道史に残る「スピード開業」といわれた。


■ 砂利運搬で一時代築く
10年後の1923年(大正12)、現在の筑西市西方にある大田郷駅から分岐して「三所支線」が新たに敷設。当初支線は「鬼怒川砂利合資会社」が運営する砂利運搬専用線だったが、1927年(昭和2)に常総鉄道が線路を買収。常総関本駅、三所駅の2駅を新設し「常総鉄道三所支線」とした。

「三所は高品質の鬼怒川砂利の産地。その搬出量は貨物輸送の量を左右するほどでした」と語るのは三所支線の元車掌・小坂照男さん(83)。鬼怒川で採れた砂利は遠く京成電鉄や成田線の道床(線路下の土台)工事ほか常総鉄道の保線にも使われ、大正期のインフラ整備に一役買った。

小坂さんによれば当時三所駅周辺には約50世帯の民家があり、人夫として300人ほどが働いていた。線路は終着駅を過ぎると二股に分かれて鬼怒川に隣接。その上流では鬼怒川砂利、下流では良質な砂が採れたという。砂利は滑車の付いた船で川底をすくい、粒の大きさで選別。小船(受け船)で岸(揚場)まで運び、待ち構える人夫がスコップで貨車に積み込んだという。

そんな砂利運搬も戦後はダンプやトラックなどの車輸送にシフトし、元々運搬専用線だったことや駅が集落から離れていること、バス路線の充実などで利用者も減少。さらに鬼怒川砂利の採取規制も加わって衰退し、1957年(昭和32)には三所駅が廃駅に、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39)には全線廃線となった。

現在、その面影を残すのは黒子駅線路脇に残る「ダンプ台」のみ。廃線後も細々と行われた運搬だが、小坂さんが最後に赴任した黒子駅長時代のダンプ台は木製で、その後コンクリートになった。


■ 今はなき「飛行場駅」
かつて黒子―大田郷駅間には「野殿駅」が存在した。戦時中付近に軍の飛行場があったせいか「飛行場駅」と呼ばれた。駅は軍人の面会や見送りの家族らに利用され、「三所支線の窓から赤トンボ(中間練習機)が見えたものです」と小坂さん。

線路は大田郷―常総関本駅間で軍の官舎に延び、物資を届けていたという。以前「関東の駅百選」に選ばれた旧騰波ノ江駅(現在は新駅舎)の待合室は、野殿駅の下りホームの待合室をそのまま移築したものだという。


■ 廃棄免れた古レール柵
水海道駅―大田郷駅の線路脇には、等間隔に鉄製の堅牢な柵が立つ。黄色い防錆剤が塗られた鉄の塊は磨り減った古いレールを同じ長さで切ったもの。高さは約150センチ程度にそろえられ、大宝駅や宗道駅の柵にはカーネギー社製「TOBU(東武鉄道)」の刻印が残り、黒子駅には戦時中八幡製鉄所で造られた「2602皇紀レール」など珍しいものも残る。

「大半は朝鮮戦争で供与されましたが、常総線では柵に再利用され廃棄を免れました。しかし、価値を知っていれば印字の部分で切断したりしなかったでしょうね」と語るのは鉄道研究家の小野寺靖さん。近代化の礎となった産業遺産は、ローカル線の片隅で静かに時を重ねている。


 

常総鉄道三所支線と古レール柵 - 地図

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